有害金属で作製された歯科補綴物に警鐘

中国歯科技工物に有害金属混入
昨日の報道番組で放送された中国経由の歯科技工物に対する警笛
TBSテレビ「報道特集NEXT」は、混入していた有害金属『中国製歯科技物』輸入放任に警鐘。
入れ歯や指し歯の歯科技工物
▼頼んだものとは異なる材料が…
▼混入していた「有害金属」その正体
▼歯科技工物の安全性どう確保する?
「中国製歯科技物が日本に流入していますが、成分を分析してみると、有害金属が混入、中国の担当者は、どのように答えるのか?」
「みなさんのお口に入っているかもしれない、入れ歯。ここにあるのは全部中国製なのですね。歯科技工物というんですね。これは多くの場合、日本では歯科医が国内の歯科技工士に指示して国家試験を持った歯科技工士が作っているのです」
「しかし、最近は中国製が入ってくるようになりました。これには規制が特にないんですね」
「そこで私たちは、中国製の歯科技工物の成分を分析してみました」
「そうしますと、様々な問題が浮かび上がってきました」
「青森県弘前市、成田歯科クリニックのポストに1枚のチラシが投げ込まれた」
「中国技術革新、安心、安全、安価、メイドインチャイナとなっていますね」
中国製の歯科補綴物を勧めるチラシ。
「補綴物とは、入れ歯や指し歯、被せものなどの歯科技工物のことだ」
輸入代行業者のチラシのほかに実際、中国の歯科技工所のものも届く。
2005年ころから、急増してきたという。
厚生労働省の研究班が去年、発表した歯科医師のアンケートによると、海外に補綴物を発注したことがあるという歯科医は、7・4%。
だが、歯科技工物の調査を進めると、成田氏は実際はもっと多くの中国製の歯科技工物が使われているはずだと言う。
歯科医が歯科技工所に歯科技工物を発注しても、孫請けに中国に発注することもあると言う。
「患者さんに、これ中国製ですよ、と言ったら、今の状態ではみなさん、えぇ! と驚くので、使ったとしても、言えない状況にあるのではないか」と成田氏。
歯科医が黙って、患者に中国製の歯科技工物を密かに使う。
そんなケースは表に出ない、そのように成田氏は指摘する。
何故、中国製の歯科技工物の使われるのか?
値段の安さだ。
日本製の半額から5分の1だと言う。
安い歯科技工物、そこに落とし穴があるのではないか?
と言う歯科医は多い。
東京・北区で開業する歯科医森本氏は、こう話す。
「日本で使われている金属は、すべて厚生労働省が認可をして、全て規格化されている。だから色々な含有量、金何%、白金何%、銀何%などと決まっています。規格外の金、白金などを少なくして他の不純物を混ぜれば、それだけ金属のコストが下がるので、それを使う可能性がある。しかし、見た目には分からない」
金や銀、ニッケルやコバルトなど様々な金属が混じっている歯科用合金。
安い歯科技工物には、安い合金が使われ、その中に有害なものが混ざっているのではないか?
不安は拭えないと森本氏は言う。
中国ではどのような合金を使って、歯科技工物が作られているのか?
それを探るため、私たちは中国上海を訪ねた。
毎年、歯科器材を展示するために開かれている上海デンテック。
こうした展示会は、世界各地で開かれているが、上海デンテックの規模が極めて大きいと言う。
海外からも安い中国の歯科技工物や歯科用品を求めて、多くの歯科関係者が商談に訪れる。
中国は今や、世界の歯科技工物製作の一大拠点となっている。
この展示会に、ある歯科技工所がブースを構えていた。
森本歯科医院の代理として、中国で歯科技工物の発注先を探していると、話すと。
「東京、大阪、名古屋、全部やっていますから、頑張りますから、お願いします」
日本に留学経験がある、と言うこの人物は、毎週、日本から注文が届くと話した。
私たちはさらに、上海で日本と取引があるという歯科技工所を探して回った。
そして、それらの歯科技工所に、一昨年から、去年にかけて歯科技工物を注文した。
合金を分析することは、伏せておいた。
森本氏のほか、千葉県市川市で開業する佐藤氏にも協力を仰いだ。
発注から1、2週間後、中国から技工物が送られてきた。
「これは、分かっていない。噛み合わせはこんなものでしょう。自分のところで調整はすると思うけど、倫理観がなければ、患者に黙って中国に出すでしょうね。値段が日本の5分の1ですもの。でもできは良くないですね」と森本氏は厳しい評価を下したうえで、こう感想をもらした。
「手続きは簡単ですよね。実際やってみて、向こうの人は日本語がベラベラだし、全てことらの言うころを分かっている」
森本氏は、中国製の歯科技工物を簡単に輸入できることに疑問があると言う。
日本では歯科医師と国家資格を持っている歯科技工士しか歯科技工物を製作してはならないと定められている。
違反すると1年以下の懲役もありうる。
日本では通常国家試験を通った者、JIS規格の合金を用いて歯科技工物を製作している。
とことが、海外には歯科技工士法が適用されないため、資格のない者が日本の規格外の材料で歯科技工物を作り、それが日本に送られてく可能性がある。
歯科技工物は薬事法の医療機器に入らないために、チェックを受けることもない。
中国製の歯科技工物に問題はないのか?
歯科材料を専門とする愛知学院大学歯学部の河合教授の協力を得て、分析を行った。
分析して3時間。
河合教授の顔が曇った。
貴金属合金で発注した中国製の歯科技工物に、何と安いニッケル、モリブデン合金。
「オーダーとは全く違いますね」
ニッケル合金は日本でも認められている。
しかし、貴金属で注文した歯科技工物がニッケルで作られたとすると、大きな問題を起こしかねないと言う。
何故か?
東京医科歯科大学歯学部附属病院の外来には、ある特定の金属にアレルギー反応を示す患者が後を絶たない。
例えば40歳代のこの男性。
半年前に皮膚に水膨れができた。
足先に加え、太ももにも湿疹が。
アトピーだと思っていたと言う。
最近、ようやく口のなかの金属が溶け出て起こる金属アレルギーを疑うようになった。
男性が強く反応を示す金属とは!
「問題は、ニッケルですね」と松井氏。
ニッケルだった。
ニッケルは前歯の指し歯に含まれていた。
日本で10年前に入れは歯だが、どこで作られたかは分からない。
「金属アレルギーはすぐにはでない。何年もたってから。忘れたころに口の中に出ると思われるが、こうして手や足に出るので、患者さんはえ! 歯科金属が原因ですか、と驚きます」
金などの貴金属と比べると、ニッケルはアレルギーを起こしやすいと言う。
「我々の外来のですね、統計データを10年ほど取っていますが、ニッケル廼アレルギーがナンバーワンですね」
アレルギーを起こさないよう、貴金属を指定したのに、ニッケル合金が使われ、患者に 被害が出たらどうするのか?
松村氏は憤慨する。
「医療は招いた事故ですから、これは重大な問題ですね」
私たちは、中国から取り寄せた歯科技工物をさらに分析していった。
金属を細かく溶かして、成分を分析していく。
ところが、日本では歯科合金への使用は禁止されている有害な金属が検出された。
それは!
発がん物質のベリリウムであった。
厚生労働省の調査によると、支持した材料以外で作られたことが度々あるが15%であった。
「これは大きな問題だ、と指摘する専門家いるなか厚生労働省の研究班はほぼ問題はないと言える、と何故か問題視していません」
愛知学院河合教授が見守るなか、ある特殊な金属が検出された。
「ああ、ベリリウムですね。ビックリしたところです」
日本では使用は禁止されている『有害なベリリウム』が検出されたのだ。
日本と取引があるという中国の歯科技工所の3か所の補綴物に1.2%から1.9%の有害なベリリウムが含まれていた。
この量だと誤って混入した可能性は低く、故意に入れられたと考えられると言う。
ニッケルにベリリウムを入れると、低い温度でニッケルが溶けるので歯科技工作業がしやすくなると言う。
ベリリウムは軽く熱を通しやすいのでロケットなどの部品に使われている。
WHOの下部機関のがん研究所は、ベリリウムには発がんあるとして、グループ1に指定している。
また、細かいベリリウムを肺に吸い込むと死に至る慢性ベリリウム症に罹る。
ベリリウム粒子を吸い込む可能性のある歯科技工士に健康被害が出る可能性がある。
こうしたことから、25年前、日本では歯科合金へのベリリウムの使用を禁じた。
東京歯科大学の小田教授は、当時の経緯を教授はこう話す。
「ベリリウムの体に対するは発がん性の問題から、合金にベリリウムの
添加が必要であるのかどうかの厚生省(当時)からの諮問がありまして、ベリリウムを特に加える必要はないよ、と学会として見解を出したことがございます。その時点で厚生省がベリリウムはダメと言っています」
分析を見守った河合教授はこう話す。
「リスクマネージメントとして、ベリリウムが数%入っていれば問題であり、健康被害の防止について担保できてないのです」
患者の口にベリリウムを入れることは、あってはならない、と河合教授は話した。
「誰の口にも入れたくないですね」
中国上海の歯科技工所を再び訪ねた。
「うちはドイツのベゴ社の合金であり、一番信頼できます」
割高にはなるが、ベリリウムの入っていないドイツ製の金属を使うと言う。
そして、ベリリウム入りの歯科技工物を送ってきた歯科技工所へ。
担当者に質した。
A歯科技工所、日本に留学経験があると言う社長が出迎える。
ベリリウムが1.9%含まれた歯科技工物を日本に送ってきた。
何故かと問うと。
「気付かなかった」
「日本でベリリウムは禁止だと知っていましたか?」
「知りません。ベリリウムに発がん性があることは、聞いています。でも、中国にはベリリウムを禁止する決まりがないんです」
中国では禁止されていないので、使った、とB社(1.8%のベリリウム含有)3、4年前日本と取引をしていた。
「日本の歯科医師から強く口止めされているので、どこへ送ったのか明かせない」と言う。
C社(1.4%のベリリウム含有)の営業担当者日本に留学経験があり、ベリリウムが日本で禁止だと知っていた。
「何て、答えようかなぁ。ちょっと注意がたりなかった。忙しかったのですよ。国内用と材料を区別しなかったのですよ。ことの重大さが分かっていれば、従業員にはベリリウム入りの材料は使うなとはなしたのですが・・・今は、ベリリウムを使うのをやめたので、大丈夫ですよ」と弁明。
C歯科技工所と取引をしている日本の千葉県の代理店を訪ねた。
すると男性は、「100%うそですね。1度も仕事を出したことはありません」
男性は上海のC歯科技工所とは絶対に取引をしたことないと言う。
上記の内容は『今日の歯科ニュース』サイトから抜粋しました。
山本歯科クリニックでは有害金属による『金属アレルギー』治療を実施しております。報道特集でも登場した東京医科歯科大学の松村臨床教授の『歯科アレルギー外来』、関連医科とも連携をとって治療にあたっておりますので、ご心配な方はご相談ください。

2010年2月10日(水)